春は別れと出会いの季節である。高校では3年生が卒業し、中学校から新1年生が入学する変化の季節ともいえる。今回のチャレンジ・モア・スピリッツでは、この時期に増える学校行事を支えている生徒会執行部について迫っていこう。
生徒会執行部とは
生徒会執行部は、8名(2年生4名、3年生4名)で構成されており、生徒会選挙にて選出される夕張高校生の代表である。
活動内容は、生徒会行事の運営、企画などを行い、学校全体を盛り上げるために積極的な活動を行っている。
精力的に活動を行う生徒会の活動により迫るべく、生徒会長の山﨑彩巴さん(以下敬称略)にインタビューを行った。
大胆な行事の見直しを実施!
記者
最近はどんな活動をしてるの?
山﨑
2月に3年生を生徒会全員で送る予餞会を実施したのと、これからは新入生歓迎会に向けて準備しています。(取材時4月初旬)
記者
予餞会ってどんなことをするの?
山﨑
お世話になった3年生に向けて各学年や生徒会が出し物を行う行事なんですけど、毎年ただのお楽しみ会になってしまっている現状があったので、今年は開催意義を生徒会で議論して、今までの感謝の気持ちが伝わるような内容にしなければいけないと再確認しました。
記者
すごい大人な議論だね(笑)具体的にはどんな内容に変更したの?
山﨑
各学年の出し物を感謝の気持ちがより伝わる内容に変更するように要望しました。1年生は動画で、2年生はゲームを通じて感謝の気持ちを伝えました。
記者
なるほど!結構評判良かったんじゃない?
山﨑
はい!先生方からも好評だったので、やってみてよかったです!
記者
新入生歓迎会ではどんなことするの?
山﨑
学校行事・先生・部活動紹介の司会進行が仕事です。ただ堅いイメージがあって1年生の印象に残っていないことが課題と感じていたので、今年の歓迎会では楽しいと思ってもらえるような工夫を検討しているところです。
記者
色々考えているんだね。
山﨑
活発な学校行事を通じて高校をPRしていきたいです。入学者は毎年少なくなってきてますけど、今年は夕張中学校を卒業した31名のうち19名の生徒を地元の高校を選んでくれたので嬉しいです!
これからの目標について
記者
これからの目標を教えてください!
山﨑
個人の目標としては、勉強や部活、学校行事など、やりたいことはたくさんありますけど、限られた時間の中でそれぞれベストを尽くしていきたいと思っています。
記者
生徒会長としてはどう?
山﨑
地域へ活動を発信していきたいのと、様々なところから注目されているので、夕張高校の取り組みや頑張っている姿から高校生の元気を発信していきたいです。財政破綻とか関係ないと思うので!
記者
そうだよね!今後の活躍を期待してます!
春休みにも関わらずインタビューに答えてくれてありがとう!
生徒会のさらなる挑戦を応援しています!
記者が学生のとき、部活動は「選ぶ」ものでしたが、取材に応じてくれた鈴木さんは、「創る」ことを選びました。女子バレーボール同好会を立ち上げ、他校との合同チームづくりに挑んだ3年間をインタビューしました。
受験面接で「創る」と宣言!
鈴木
少年団「夕張レガメッツ」の初代メンバーとして小6のときにバレーボールを始めました。高校でも続けたくて、面接のときから「部を創りたい!」と言っていました。
記者
入学したてで創部しようとするなんて、すごいよね! どうやって行動したの?
鈴木
まずは担任の先生に相談しました。すると、着任した先生が競技経験がある人だとわかって、お願いに行きました。先生が引き受けてくださったので、同級生3人と先輩2人で同好会としてスタートすることができました。
記者
きっと熱意が伝わったから、協力してもらえたんだよね。活動を始めて、大変だったことはある?
鈴木
道具も十分ではなかったので、最初は自分たちでお金を集めて活動していました。人数が少ないので、学校行事や生徒会などが重なると、一人で練習をしなければならないこともありました。
ハンディを工夫で乗り越える!
記者
練習の人数が集まらない、しかも試合では他校との合同チームだよね。チームづくりではどんな工夫をしたの?
鈴木
週1回の合同練習では不十分なので、日々のコミュニケーションが大切です。LINEでグループを作って、意識的に連絡を取り合っていました。
記者
今どきの高校生らしいね! どんなことを話すの?
鈴木
恋愛の話とか(笑)こうした他校生徒との出会いが生まれたことも、バレーを続けてきて良かったことの一つです。
3年間の活動で得た「自律心」
記者
3年間の活動の成果で、今年は部に昇格したんだね。3年間やってきて、どんなことを学べたと思う?
鈴木
顧問の先生にはいつも「人が見ていないときにどれだけやれるか」と指導されてきたので、たとえ一人でも手を抜かずに取り組むことができるようになったことですかね。後輩たちにも伝統にしてほしいです。
記者
その気持ち、とっても大切だと思う。そんなバレーをやってきて一番の思い出ってなに?
鈴木
他校との合同合宿です。早朝5キロマラソンから始まり、夜7時までびっちり練習しました。アザだらけになって、辛かったですけど、みんなで頑張って充実した時間を過ごせて、本当に楽しかったです。
後輩たちに向けて
鈴木
夕張高校単体で試合に出場することが夢でした。しかし三年生が抜けると、後輩2人になってしまいます。いろんな苦労をして創ってきた部なので、なんとか継続してほしいと願っています。
部活を「創る」夕張高校だからこそ取り組めたチャレンジの経験を生かして、鈴木さんは卒業後社会に出るそうです。小学校から続けてきたバレーも続けたいと話してくれました。
夕張高校で養ったチャレンジ・モア・スピリットを生かして、社会に出ても頑張ってくださいね!
記者は小学校で野球を断念していたので、高校から野球を始めるなんて驚きでした。澤井くんは、中学時代はバドミントンや相撲をしていたそうです。なぜ野球に挑戦し、野球を通して何を学んだのか、その3年間をインタビューしました。
新しいことにチャレンジしてみたかった
澤井
高校で野球を始めた理由は、高校生になって新しいことにチャレンジしてみたかったからです。自衛官になりたいと思っているので、体力づくりにもなると考えました。
記者
まさにチャレンジ・モア・スピリッツだね! 始めてみてどうだった?
澤井
想像以上に練習が辛かったです。合同チームで練習をしているので、土日は遠征になり、移動も大変でした。
記者
厳しい練習だったんだね。初心者だからこそ、苦しんだことはある?
澤井
ずっと引っ張ってくれていたキャプテンが卒業し、合同チームの中で自分たちが引っ張っていかなければならなくなったとき、辞めたいと思うこともありました。
記者
初心者から始めて、チームを引っ張る立場になるって、大変だよね。どうして頑張ることができたの?
澤井
同級生の頑張っている姿を見ていたからです。それに、途中で投げ出すのは好きじゃなくて。一度あきらめると、投げ出すクセがついてしまうと思うので、最後までやり切れました。
合同チームで学んだこと
記者
合同チームだからこそ気をつけていたり、工夫していたことってある?
澤井
他の選手と連携しないといけないので、コミュニケーションが重要です。声を出して盛り上げたり、よく周りを見て気遣いするように心がけていました。
記者
合同チームって、普通のチームより大変だけど、得られるものも大きいんだね! 合同チームで良かったことってある?
澤井
3校合同チームだと、監督は3人いるので、一つのプレーでも3つの視点から教えてもらえるので、3倍のものを得ることができます。普段の練習でも、人数が少ないので、時間をかけて教えてもらうことができたのも大きかったです。
次なるチャレンジの舞台
記者
どうして自衛隊を目指すようになったの?
澤井
父の知人が自衛官で、小さいときからお世話になっています。災害時には人のために尽力する姿がカッコいいと思って。
記者
自衛隊に入ることができたら、夕張高校で得たことをどう生かしていきたい?
澤井
野球もよく周りを見なければいけないスポーツだし、自衛隊も集団行動が多いので、自分のことだけではなく、災害時などには避難している人に寄り添えるような自衛官になりたいと思っています。
「野球を始めたとき、今の自分をイメージできた?」と聞くと、「全くできなかった」と話していました。
「毎日コツコツ練習した成果で、高校から野球を始めたとは思えないプレーをするようになった」と顧問の先生は言います。
夕張高校で、仲間や先生とともに、想像以上の自分になれた澤井くん。この経験を生かして、夢である海上自衛隊を目指します。社会に出ても野球は続けたいと話していました。これからもチャレンジ・モア・スピリッツで頑張ってね!