夕張高校チャレンジ・モア・スピリッツ 第6号

商品開発プロジェクト 進行中


 夕張高校ではいま、「幸福の黄色いハンカチ想い出広場 HAMAMATSU CAFE」のオープン日に合わせて提供するスイーツの商品化を目指しているところだ。

 

シフォンケーキの試作品
シフォンケーキの試作品 付け合わせを工夫している

地場産品を取り入れつつ

 2学年就職・専門学校進学コースの生徒たちが開発に取り組むスイーツは、夕張産長芋と、短期留学体験等でつながりのある八丈島産のフルーツレモンを使用したシフォンケーキで、目下市内菓子店「お菓子のふじ」と共同開発を行っているところだ。

 「お菓子のふじ」店主の前田氏は、これまでにも調理実習の講師を行うなど、夕張高生の学びに協力している。

アドバイザー写真
真剣な眼差しで各グループ案を評価するアドバイザーら

賞品案のプレゼン・試食会を実施

 12月18日には、「お菓子のふじ」店主の前田氏と夕張市役所職員4名をアドバイザーとして迎え、商品案のプレゼンテーションと、試食会を実施した。

 

 生徒たちは4つのグループに分かれ、あらかじめ焼いておいたシフォンケーキにトッピングなどのアレンジを行い、商品案とした。

 アドバイザーからは、ネーミング、価格、見た目など、商品案に対する評価・意見がだされ、プレゼンテーション自体の出来についても自己評価・振り返りが行われた。

 これらは今後の試作・検討に生かされる予定だ。

 

商品案のプレゼンを行う生徒
モニターを使用し、商品案のプレゼンを行う夕張高生

夕張高校 進む社会参画

 この商品開発プロジェクトをはじめ、本稿にてもこれまで紹介してきたバスまちスポット、ピコピコシステム、民間アパート内装デザインなど、夕張高生の取り組みが社会に還元されてきている。

 このような経験を通じて、社会に対する感性を養い、卒業後も彼らが活躍し続けてくれることを願うばかりだ。


夕張高校チャレンジ・モア・スピリッツ 第5号

ふるさと納税サイト社長 夕張高生に語る


 12月14日(木)に、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」を運営する株式会社トラストバンク社長の須永珠代氏が、夕張高生を対象に講演を行った。

 

株式会社トラストバンクとは

 ふるさと納税とは、自分の選択した自治体に納税という形で寄付を行う制度だが、ふるさと納税サイトを通じて、インターネット上で行うことができる。

 同社は、数あるふるさと納税サイトの中でも最大規模の「ふるさとチョイス」を運営している企業である。

 

マインドマップを作成している写真
互いに賛成し合いながらマインドマップを作成する夕張高生

「キセキの授業」の一環として

 現在夕張高校では、夕張市と協同し、高校を生徒たちにとってよりよい学び舎とするため、「夕張高校魅力化プロジェクト」を実施しているところだ。今回の講演はそのプロジェクトの一環として、あらゆる分野の「大人たち」が、自分のしてきた経験を夕張高生に伝える「キセキの授業」として、同プロジェクトに共感した㈱トラストバンク須永社長の厚意によって実現した。

 須永社長からは、「キセキを起こすたった一つの大切なこと」と題し、自身の起業に至る経緯やその時の思いなどの話があり、夕張高生にとっては貴重な経験となった。

 講演の後は、生徒たちを複数の班に分け、「10年後の夕張のすがた」をテーマに「マインドマップ」を作りながら考えるコーナーを設けた。このマインドマップとは、一つのテーマに沿って、そこから連想される要素や物事を次々と書き足していき、アイデア出しや、思考の整理に役立てるものだ。今回はどんな突飛なアイデアであっても賛成することをルールとして行い、夕張高生たちは、想像力の大切さを体験したようであった。

 3年生の小川さんはこの講演を通して、「視点を上げることと、想像を膨らませる大切さを学びました。卒業後の生活では、この2点を意識して将来の目標を設定していきたい。」と述べた。

 

ふるさとチョイス上、夕張市ガバメントクラウドファンディングページのスクリーンショット
「ふるさとチョイス」上でクラウドファンディングを行った

「夕張高校魅力化プロジェクト」とのかかわり

 夕張市では、前述の「夕張高校魅力化プロジェクト」の資金を調達するため昨年7月から12月にかけて、同社の「ふるさとチョイス」上においてクラウドファンディングを行ったところである。

 7百万円を目標としていたところ、多くの寄付者の共感を得ることができ、2千万円を超える資金が集まった。今後はこの資金を活用して、夕張高生の学びに役立てることになる。


夕張高校チャレンジ・モア・スピリッツ 第4号

夕張高生 建設中アパート内装をコーディネート


 12月7日(木)3学年3・4時間目家庭科授業において、潮産業株式会社から4名の講師を招き、市内に現在建設中のアパートの内装クロス(壁紙)を選び、部屋の雰囲気をコーディネートする授業を行った。

 

コーディネート案は実際に採用

 授業では、3学年35名を6班に分け、各班1部屋を受け持ち、内装クロス選定を通じた部屋のコーディネート案を作り上げた。

 このコーディネート案については、実際のアパートの内装に反映される予定だ。

 

部屋ごとに異なるターゲットとテーマ

 6つの班は、ターゲット(想定される入居者像)とターゲットが好みそうな部屋のテーマを設定し、それに沿った形で内装クロスを選定した。

 各班が設定したターゲットは「男性」、「若い女性」、「20台前半の落ち着いた女性」等、様々だ。テーマは「自然」「落ち着いた家」などであり、内装クロスの選定は、実際にプロが使用するカタログやソフトウェア等を使用し、各々の設定したテーマの実現に向けた班内議論を通じて選定した。

 色相環、捕色などの色彩学や、色の与える心理的効果などを学び、それを駆使しながら完成させた案はどれも実によく練られており、たとえばターゲットを「若年層男女」とし、テーマを「モダン」とした班は、実在のモデルハウスを参考にしながら、黒と黒紫を使って全体をダークトーンでまとめ、流行に左右されない大人っぽさを演出した。

説明を受ける夕張高生
潮産業㈱から説明を受ける夕張高生。奥の画面では内装のシミュレーションを行っている。
選定作業を行う夕張高生
選定作業の様子。実物を用いたカタログを参照している。

内装案の写真
案はこのような形にまとめられた

授業を通して

 各班の案が実際のアパートの部屋の内装に採用されるということで、生徒はそれぞれ緊張感をもって選定作業に臨んだようだ。

 生徒たちは、授業を通して「他人の意見を聞きながら話し合って決めることが楽しかった。」「将来家を建てるときや、アパートの部屋を選ぶときに役に立つと思った。」「このような経験は夕張高校でしかできない貴重なこと。私たちの考えた部屋を良いと言ってくれる人がたくさんいてほしい。」などと話していた。