夕張高校では現在12の部活動・同好会があり、各所でその若さを燃やしているところである。今回の「チャレンジ・モア・スピリッツ」では、そんな夕張高校の部活動で活躍する生徒を代表して、陸上部の板谷さん、美術部の本間さんに話を聞いた。
普段どんな活動をしているの?
板谷さん(以下敬称略)
陸上部の練習は週5日ですね。土日は記録会があったり、大会が近いと練習に充てたりで、それを含めるとほぼ毎日活動しています。
記者
板谷さんは、競歩の選手だったね。競歩の選手はどんな練習をするの?
板谷
5分くらいウォーミングアップをした後で、ドリル(筋力や関節、フォームの訓練)を行います。国道沿いの歩道で練習することも多いです。
記者
国道沿いで練習するのはどうして?
板谷
競歩は審判にみられる競技なので、誰かに見られていることを意識した中で、フォームに気を付けながらスピードに乗れるように練習する必要があるからです。
記者
なるほど、そうなんだ!ところで、板谷さんは、高校に入ってから競歩を始めたということだけど、始めたときはどうだった?
板谷
競歩は片足をつける、膝を曲げてはいけないなどの決まりがあるので、慣れるのに大変でした。顧問の先生に教わったり、自分でインターネットを使って研究したりして、身につけました。
記者
板谷さんは2年連続全道大会出場だよね。大会に向けてトレーニングの内容を変えたりしたの?
板谷
全道大会はあまりいい結果は残せませんでしたが、普段よりフォームとスピードを意識しながら、アップも長めにするなど、より実戦を意識した活動をしました。
* * *
本間さん(以下敬称略)
美術部は基本不定期に、部員の創作意欲が沸いたときに、部室のカギを取りに行って活動します。
記者
写真と絵画が活動の中心のようだけど、部員は両方するの?
本間
私は両方やりますが、写真だけという部員もいます。両方やるのはもちろん、どちらか選んでというのもありです。
記者
美術は中学校からやっていたの?
本間
絵画は中学の時からやっていましたが、写真は高校になってからです。夕張高校の美術部が写真をやるようになったのは、おととしからで、地域おこし協力隊の山口さんが夕張高校でぜひ写真をということで、外部講師となってくれたのが始まりです。夕張高校には美術の先生がいないので、部活としての活動もあんまり活発でないところにそういう提案をしてくれたんです。
記者
外部講師の山口さんからはどんなことを教えてもらっているの?
本間
カメラの使い方も教わりましたが、それより被写体をどう写すかだとか、どんな写真を撮りたいかなどの「写真に対する想い」について教わったことがすごく良かったです。
記者
「写真に対する想い」かぁ。写真の魅力っていうのはどういうものだと思う?
本間
ただの記録としてではなくて、その人の生き様を残せたりだとか、クスッとさせたりだとか、撮る側の目線によって被写体がシリアスにもコミカルにも活きてくるところだと思います。
記者
それは奥が深いね!予選を突破した写真甲子園はどうだった?
本間
残念ながら本戦への進出はかないませんでしたが、予選を突破して公開審査会に進んだのは夕張高校初で、同じく予選を突破したほかの学校は全部常連校でした。
記者
予選50校弱の上位5校になったわけだからね。夕張高校も常連校になれればいいね!
将来の夢は?
板谷
鍼灸師として、陸上選手のケアをするトレーナーになりたいと思います。
記者
選手のことがわかる鍼灸師、いいですね!
本間
助産師になりたいと思っています。妹が産まれてくるのに立ち会ったときに、助産師さんの対応にあこがれたのがきっかけです。
記者
うーむ、みんなよく考えているなぁ。
読者のみなさんにアピールしたいことは?
板谷
2020年の東京オリンピックに向けて、陸上選手が活躍することが多くなると思うので、競歩だけではなく、陸上のことをもっと知ってほしいと思います。
本間
清水沢コミュニティゲートで開催される宮文祭でも夕張高校美術部の作品が展示されるので、ぜひ見に来てほしいです。
中間試験が終わってお疲れのところ、どうもありがとう!
夕張高校3学年就職・専門学校進学コースは今、6月23日に開催されるイベントである「ONSEN ガストロノミーウォーキングinゆうばり」への企画参加へ向けた準備中だ。
「ONSEN ガストロノミーウォーキング」って何?
日本の魅力あふれる温泉地を拠点にして、その地域特有の「食」、「自然」、「文化・歴史」すべてをウォーキングによって、一度に「体感」できる新たなツーリズム。夕張では、6月23日午前9時30分から行われる。
ホテルマウントレースイ前を出発し、およそ9キロメートルの道程を、夕張メロン等の食や幸福の黄色いハンカチ想い出ひろば等の名所などを楽しみながら歩き、最後にはレースイの湯につかるコースが用意される。
企画内容を市職員に提案
5月2日、夕張高校の総合実践の授業の中で、市の職員に対する企画提案会を行い、生徒たちは、自ら考えたイベント参加の企画内容の提案を行った。内容は、周辺のごみ拾いを通じたコース整備や、自ら考案したシフォンケーキや飲み物の提供をはじめ、スタンプラリーの実施、各所におけるガイドなど多岐にわたっている。
磨いてきたスキルを活かす場
生徒たちは、2学年次より授業の中で磨いてきたビジネスマナーやパソコン技能、また商品開発(シフォンケーキやマドレーヌ)などのスキルを今回、校外で活かすことになる。
先日行われた市職員への企画提案会においては、企画などの事前準備から当日の出迎え、司会などの段取りについても生徒自ら行い、まさに挑戦、実践の中で学びを得ているところだ。
6月のイベントに向けてこれからも企画内容を磨いていくとのことなので、彼らの活躍と成長が楽しみだ。
生徒の声
「チャレンジ・モア・スピリッツ」第8号で以上の取り組みを記事にするにあたって、3学年就職・専門学校進学コースの石田さんにお話を聞いた。
記者
イベントへの意気込みは?
石田さん(以下敬称略)
イベントに参加する観光客など、市外から訪れる方にメロン以外にも夕張の魅力を知ってほしい。夕張は地域や人のあたたかさが魅力だと思うので、イベントを通じてそういった面を知ってもらえればいいと思う。
記者
企画を考えるにあたって課題に感じたことは?
石田
意外と地元である夕張の名所などについて知らないこと。知らないと市外の方をガイドできないので、課題だと感じる。
平成30年3月1日(木)、夕張高校体育館において第26回卒業証書授与式が挙行された。
晴れの日を迎えた35名
今回卒業となった26期生35名は、夕張高校が一クラスとなった最初の学年である。1クラスとなり、人数が少なくなっても「夕張だからできること」に目を向け、様々な分野で活躍してくれた。
また、市の施策などへの参画を通じて、地域にも貢献した。
空間デザインを行ったバスまちスポットは、利用者の多くから好評を得ているほか、宮前町の賃貸アパートの壁紙選定にも関わるなど、幅広い活躍は市民の誇りとするところだ。
卒業おめでとう!
Challenge More Spirit を体現
昨年7月に行われた学校祭では、生徒数が少なくなったこともあり、これまで行われてきた仮装パレードが行えなくなったが、少ない人数だからこそできることは何か、どうしたら全員が楽しめるかを考え、「Change~歴史を塗り替えろ」のスローガンのもと、学校祭内容の刷新を行った。
刷新の中心となった全校生徒によるよさこいでは、下級生をよくリードして、学年の垣根を超え、息の合った演舞を実現した。